社会福祉士としての専門性って何だろう。

社会福祉士は、実践現場においては、本人の自己決定を原則とし、時にはアドボカシーをしながら、本人が置かれた環境システムへの介入を行いつつ、社会生活が少しでも改善されるようにケースワークを行うが、それらを支える基礎的な知識、技術以外にも、関わっている分野によっては、司法、介護、会計など多岐にわたる専門知識に加えて、実践経験を積む必要が求められ、どれか一つが欠けたとしても、対人専門職としてのソーシャルワーカーは成立しない。
それらを踏まえて、改めて“社会福祉士としての専門性とは何か”との問いが語られるときには、その回答としては、概ね知識、価値、技術が挙げられる。平易な言葉に直すと、過去から現在に至るまでのソーシャルワークの理論、倫理を知識として学び、それを相談援助の実践現場で技術として用いることができ、それらを支える前提としての”価値”観が倫理綱領に当たるであろう。また、実践で得た新たな理論は、我々ソーシャルワーカーが先人たちの軌跡から学んできたように、後の世代に伝えなければ意味を為さず、その意味では、実践の言語化が行えることも専門性のひとつに内包されると言える。

一方で、専門性が高ければ“よい支援者”と言えるかというと、必ずしも言い切れない。ピアにおいては、専門性より関係性の中でのエンパワメントが行われているし、初学者のビギナーズラックというのも枚挙に暇がない。専門職によって“傷つき体験”をしてきている相談者も存在する以上、ピア、初学者(素人)が専門職より “よい支援”を行える可能性は排除できない。ピアが専門職へとなっていく事も年々増えてきており、“ただの専門職”の存在意義が問われてきているのも、ここ10年の流れと言える。
ここで大切なのは、だれにとっての専門性であるのかといった視点であり、方向性である。支援職にとっての専門性であるのか、職能団体にとっての専門性であるのか、利用者にとっての専門性であるのか、そしてその方向性は公共の福祉に質するものかといった事を見誤らないことが第一義であり、そのために我々社会福祉士は倫理綱領を大切にしながら、日々の振り替えりを欠かしてはならないだろう。